一太郎という国産のワープロソフトのせいで、法案にミスが多かったことにされたようです。
農水省が「ワード使用徹底」を求める通知を出したそうですが、一太郎はWordとは違い日本語のために開発されたワープロソフトです。
はたして一太郎よりワードの方が優れているというのは事実でしょうか?
ATOKはどうしょうか?
さっそく調べてみましょう。
提出された法案に4割ものミス
今国会に提出された法案・条約のうち24本にミスが見つかったと3月25日に報じられました。
政府が、今国会に提出したすべての法案を25日までにチェックし直した結果、新たに厚生労働省でもミスが見つかった。これによって法案を提出した全16府省庁61法案11条約のうち、13府省庁23法案1条約でミスがあったことになる。ミスは政府提出法案の4割に上り、菅義偉首相は25日の国会で「大変申し訳ない」と陳謝した。
引用:Yahoo!ニュース
政府提出法案のうち4割にミスがあったとのことで、なかなかの高確率ですね。
ミスの内容はいちいち報道されませんでしたから、個別にどんなミスだったのかはわかりません。
一例として、【「同条第六項」とすべきところを「同条第五項」と誤っていた】というようなミスであったと記事にありますが、単純なミスに過ぎず、防ぎようはあったかもしれませんが、取り返しのつかないミス、とまでは言えないでしょう。
野党が審議拒否を言いだしましたが、さすがに国民の同意を得られないことに気付いたのか、すぐに通常の審議に戻りました。
法案のミス多発は一太郎の責任なのか
ところが今日になって、農水省が事実上の「一太郎禁止令」を出したというので驚きました。
政府内で相次ぐ法案のミスなどを受け、「一太郎」禁止令が出された。
中央省庁では、ワープロソフトとして「ワード」を使うのが主流となっているが、一部では、国産の「一太郎」が使われている。
ただ、互換性の問題から、相次ぐ法案の条文ミスの理由とされたり、民間企業とのやり取りで不便が生じ、政府内で「一太郎」の使用を問題視する声が上がっている。
こうした中、農水省が、省内で「ワード使用を原則化」する通知を出したことがわかった。
通知では、「対外的にやむを得ない場合を除き、『ワード』使用を徹底」するよう書かれ、事実上の「一太郎」使用禁止令となっている。
引用:Yahoo!ニュース
法案にミスが多発した原因はいろいろあるでしょうが、一太郎というワープロソフトが悪者にされた格好です。
ご存じのとおり、一太郎は日本語で文章を書くために、日本で開発されたワープロソフトです。
当然、日本語で文章を書くことに関しては他のソフトよりも使いやすく、美しく書けるように工夫された優秀なソフトです。
その一太郎を使うのを止めて、ワードに統一したからといって、法案にミスが減るのか?そんなはずはないですね。完全に八つ当たりでしょう。
よりによって一太郎の責任にしようなんて、無理が過ぎます。
一太郎で作ってもWordで作ってもいいから、pdfにすれば済む話じゃないんですか?
なぜ一太郎は悪者にされたのか
官公庁や学校で使うパソコンのソフトぐらいは、国産のソフトに統一すればいいじゃないか、と個人的には強く思います。
パソコンが普及し始めた1980年代にパソコンを使い始めた人にとって、「一太郎」は優秀でほぼ唯一の日本語ワープロソフトでしたし、一太郎を使いこなせることは誇らしいことでした。
ところが、邪悪にも世界を独占したいと考えたビル・ゲイツのマイクロソフト社が、Windows95あたりからWordやExcelをくっ付けたパソコンを世界に売りまくりました。
のちに、世界はマイクロソフト社にひれ伏すことになりましたが、一太郎のジャストシステムは抵抗を示しましたし、小兵ながら善戦したと思っています。
そういう過程で、日本の官公庁は「一太郎」を公認のワープロソフトとして導入せず、無批判に「パソコンに付いてきたWord」を使って公的文書を作ることを何とも思わずにここまで来たのです。
一太郎とワードの互換性の問題
一太郎とWordとの互換性に本当に問題があるなら、ジャストシステムに修正を求める、というならわかります。(本当に互換性に問題ありますか?)
それを「ワード使用を原則化」などと、とうとう国産ワープロソフト一太郎を排除しようとすらして恥じない姿には、驚き呆れるばかりです。
パソコンとかインターネットとか苦手で、どうもよくわからない…ような人が一太郎の使用禁止を言いだしているような気がしてなりません。
そういうリテラシー(?)の延長線上に、官公庁が「デジタル化推進」とか言って素性のよくわからないLINEというアプリを、確かめもせず平気で導入してしまうような事が起こるのだ、と理解できますが、ダメなものはダメです。
わからないのが悪いと言ってるんじゃないんです。わからなくても、わかる人に教えてもらうことは出来ます。
もし、教えてもらったんだけどよくわからないという場合は、世代交代を考えていただきたいと真剣に思います。
「俺は一太郎だから*.jtdでファイル渡すんでそっちでなんとかして」とか言う人は、単にPCが使えない人であって、それを一太郎の所為にしている迷惑な人である。そもそも、大抵の(PCに熟達した)一太郎ユーザーは、互換性とかめっちゃ気を使ってるし、Wordの読み込みとかも慣れてる、と思う。
— Pz.Kpfw.XV Ausf.AK (@bookdraught) October 24, 2019
世間の人は「イマドキ一太郎(笑)」と思うかもしれませんが、一太郎は日本語で文章を書くための最高のソフトです。嘘だと思ったら使ってご覧なさい。
法案ミスで「一太郎」禁止令? 農水省「ワード原則化」通知(フジテレビ系(FNN))#一太郎https://t.co/ASB4D9pZnG
— 五十六謀星もっちぃ@「占い師のサロン」主催 (@motty56ps) March 30, 2021
これ、ヤバい😡アプリケーションの互換性に話をすり替えて、ジャストシステムのせいにするって、酷すぎないか?まがりなりにも実績を積んできたソフトウェアとメーカーだよ?一太郎は使わないけどATOKは愛用する者として許せないわ😡 https://t.co/7RS2eOLg6y
— Kirschtorte@肉球新党(ANTIFA)【野党共闘で政権交代】 (@claudia_cloudy) March 30, 2021
一太郎は使わなくてもATOKは使いますよね?
どうしても一太郎は使わない、と言うなら、それも時代の移り変わりというものかもしれません。
でも、一太郎ファンの中には一太郎のワープロソフトとしての優秀さのファンだけではなくて、ATOK(エートック)のファンも少なからずいるだろうと思います。
「ATOK」は、ジャストシステムが開発した、パソコンで日本語を操るための日本語入力システムです。
マイクロソフト社には「Microsoft IME」という日本語入力システムがありますが、「ATOK」と「Microsoft IME」の両方を使ったことがある人なら、両者にどんなに差があるか、よくお分かりだろうと思います。
ATOKなら、文章を書きながら「ら抜き」や、尊敬語と謙譲語の混合や二重尊敬語もやさしく指摘してくれますし、英単語のスペルを間違えたときにもそっと指摘してくれますし、人名の候補も多くて、一度使うと覚えてくれますし、推測変換も絶妙です。Microsoft IMEも後追いして一生懸命に真似をしていますが、とうてい敵いません。
しかも、この優秀な日本語入力システム「ATOK」は330円/月で、10台まで使えるんですよ?
日本語を愛する人には、ぜひATOKを使ってみていただきたいです。
官公庁などで大事な書類を作成するときに、少しでも入力ミス、変換ミスを減らしたいなら、どうか日本語入力システムにはATOKを使ってくださることを祈るような気持ちです。
とにかく、「一太郎は悪くありませんから!」
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