平均賃金が韓国以下って本当?OECDじゃない統計を見ると違う!

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日本の平均賃金が韓国以下だと話題になっています。

まさか日本の平均賃金が韓国以下だとは知らなかったですが、本当でしょうか?

文春オンラインによれば、OECD(経済協力開発機構)の統計によって、日本の平均賃金が韓国以下だとわかるというのですが…OECDの統計は確かでしょうか?

世界の他の国の平均賃金と比較してどうなんでしょう?

OECD以外の統計はないんでしょうか?調べてみましょう。

平均賃金が韓国以下というOECDの資料

OECDに参加する世界の国々の平均賃金を示すグラフがこちらです。

右が平均賃金が高い国で、左に行くにつれて平均賃金が低い国になっています。

黄色が日本で、日本から右へ5番目が韓国です。

たしかに、日本の平均賃金は韓国以下ですね。

◆1位:ルクセンブルク (68,681米ドル・約7,361,000円)

◆2位:アイスランド (68,006米ドル・約7,289,000円)

◆3位:スイス (66,567米ドル・約7,135,000円)

◆4位:アメリカ合衆国 (65,836米ドル・約7,056,000円)

~略~

◆19位:韓国 (42,285米ドル・約4,532,000円)

~略~

◆24位:日本 (38,617米ドル・約4,139,000円)

以下、ポーランド、エストニア、チェコ、リトアニア…

OECDのホームページサイトには「平均賃金は、国民経済計算に基づく総賃金請求額を経済全体の平均従業員数で除算し、次にフルタイム従業員1人あたりの平均通常週時間と平均通常週時間の比率を掛けることによって得られます。すべての従業員のために。この指標は、2016年の基準年と、同じ年の個人消費の購買力平価(PPP)を使用して、米ドルの定価で測定されます。」と書かれています。

機械翻訳なのでよくわからないんですが、2016年を基準にして導き出したOECD独自の計算方法で計算した、米ドル換算での平均賃金、ということのようです。これが最新版2019年度のデータで、文春が引用しているのと同じデータです。

OECD(経済協力開発機構)が行った賃金に関する調査は衝撃的だ。2019年における日本人の平均賃金(年収)は3万8617ドルだったが、米国は6万5836ドル、ドイツは5万3638ドルと大きな差を付けられている。

それだけではない。かつては途上国というイメージの強かった韓国ですら、4万2285ドルとすでに日本を追い抜いている。日本人の賃金は米国の6割程度しかなく、韓国よりも低いというのが偽らざる現実である。

なるほど、たしかにおっしゃる通りです。よく知らないのに、なんとなく日本の方が韓国よりも賃金は高いような気がしていました。ごめんなさい。

もう少し分かりやすい例をあげてみよう。日本における大卒初任給は約20万円だが、米国では50万円を超えることも珍しくない。

引用:文春オンライン

あ~。これは知ってた。日本では大学卒の初任給は20万円、てこたぁないけどまぁ20万円台がふつうで、30年前とそう変わらない。アメリカやヨーロッパには50万円の大学卒初任給が当たり前の国がいくらでもある。

そう言うと、その国では物価が高くて家賃や交通費など諸々の生活費だって高いはずだから、単純に初任給や平均賃金で比較は出来ないし、日本が貧しいっていうことにはならないんだ、って反発したくなるんだけど。

そうなんだけど、でもね、じゃあ初任給50万円の国の人が日本へ遊びに来たらどう思う?「うはー!日本物価安い!ヤバい!」ってなるよね?

かつては「日本へ旅行したいけど物価が高いんだよね~」と言われていたのにですよ。

逆に日本人がオーストラリアとかアメリカとかへ旅行すると「うへー!物価が高い!」ってびっくりするようになりました。

いったい、いつの間にこうなったんだろう?

日本の平均賃金はいつから韓国以下になったの?

日本の平均賃金は、いつの間にか韓国以下になったんでしょう?

宋文洲さんの2020年10月23日のツイートに「年収、韓国が日本より高い いずれ日本を超えるだろうと思っていたが、こんなに早く超えたとは…とあります。

じゃあ、日本の平均賃金が韓国以下になったのは2020年だったのかな?これもOECDの統計を元にした発言ですね。

もう少し調べましょう。

国税庁の調査と韓国経済研究院を比較…韓国の平均賃金が日本以下

日本の平均賃金の指標のひとつとして、国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」というのがありました。

この民間給与実態統計調査によれば、2019年の日本の給与所得者の平均給与は「436万円」です。OECDの調査結果より多いですね!やったー!あ、いやいや。そうじゃないんだけど。

韓国はどうでしょう。

2019年9月23日、人民網によると、昨年における韓国のサラリーマンの平均年収が3634万ウォン(約330万円)で、前年に比べて4.6%増加したことが明らかになった。

記事によると、韓国経済研究院が雇用労働部の資料を分析した結果、昨年のサラリーマン1544万人の平均年収が3634万ウォンで、前年よりも159万ウォン(約14万円)増加したことが明らかになった。

引用:RecordChina

2018年の数値ですが、韓国のサラリーマンの平均年収が約「330万円」と書いてあります。サラリーマンだけの平均値ですね。

日本の「給与所得者」と、韓国の「サラリーマン」は微妙に違うような気がしますね~。どうなんでしょうか?まぁだいたい同じような意味?

でも、この二つを較べてみると、日本が「436万円」で、韓国は「330万円」ですから、日本の平均賃金が韓国以下、とは言えないですね!

文春が根拠にしていたOECDの調査はとてもポピュラーですが、計算方法が独自なもののようです。別の統計を見てみたら違うんじゃないか?と思って調べてみたら、全然イメージの違う結果になっちゃいました。

いや、だからって「やったー!」ってことじゃないんですよ。そうじゃなくて、日本はやっぱり世界の中で相対的に貧しくなっていることは確かで、それはわれわれ庶民の実感している通りだと思うんです。

なんかちょっと寂しいですね…

文春の記事が間違ってる、と言いたいワケではありません。じっさい、「平均賃金が韓国以下」と聞いてナヌー!と思いましたし、キャッチーな話題提供だと思います。でもやっぱり鵜呑みにしちゃいかんなーと思うなどしました。というお話しでした!

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