アイスランドで火山が噴火していますが、日本の火山への影響はないでしょうか。
おりしも鹿児島県の諏訪之瀬島では火山活動が活発化しています。
アイスランドと日本の共通点や、富士山が噴火する可能性についても調べてみましょう。
アイスランドの火山噴火状況
アイスランドでは、2021年2月~3月にかけて3~4週間にわたって群発地震が発生してから、3月20日に噴火が始まりました。
噴火している火山は、アイスランドの首都レイキャビクから30キロほどのレイキャネス半島にあるファグラダルスフィヤル火山という名前の火山で、噴火するのは781年ぶりだそうです。
ファグラダルスフィヤル火山の噴火が始まる前3週間の間に4万回以上もの地震が記録されたといいます。
2014年以降は毎年1000〜3000件もの地震が数えられていたそうです。
アイスランド気象局の発表によると、ファグラダルスフィヤル火山の噴火は19日午後8時45分(日本時間20日午前5時45分)ごろに始まり、噴火の数時間前にはファグラダルスフィヤル火山から1.2キロの位置を震源に、マグニチュード3.1の地震発生が記録されていました。
アイスランドの火山噴火を真上からドローン撮影した映像。
これは初めて見る画だなぁpic.twitter.com/PzyPx7xEZM
— Go Ando / THE GUILD (@goando) March 27, 2021
高台のところでボール遊びしたんだね。やっぱり噴火フェスだ。みんなで思い思いに楽しめる。
pic.twitter.com/gBFsga41pw— こちらアイスランド🇮🇸 (@YukaOgura) March 29, 2021
アイスランドの火山噴火で大勢の見物客 pic.twitter.com/Y0qp29IfHW
— AFPBB News (@afpbbcom) March 28, 2021
溶岩が容赦なく進んでいる様子。これでアイスランド に移ってから、オーロラ、氷河、噴火を生で見たことになる。すごいよね⁉️ pic.twitter.com/RUfmaMGdBd
— こちらアイスランド🇮🇸 (@YukaOgura) March 22, 2021
アイスランドと日本の共通点
アイスランドと日本には地質学的な共通点があります。
地球の表面を覆っているプレートは、その下にあるマントルが対流する動きに引っ張られて少しずつ動いている、というのはご存じだと思います。
日本列島は、ユーラシアプレート、北アメリカプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの上に乗っていて、それぞれのプレートの動きから複雑に影響を受けるために地震多発地帯となっています。
日本はユーラシアプレートの東端、アイスランドは西端に乗っていて、ともに地震が多く火山も活発です。
ざっくり西半分をユーラシアプレート、東半分を北アメリカプレートに乗せているのが日本列島で、反対に西半分を北アメリカプレート、東半分をユーラシアプレートに乗せているのがアイスランドです。
アイスランドの国土は北海道と四国を合わせたぐらいの面積ですが、活火山が30個?30山?もあります。日本列島にある活火山は108山です。
アイスランドの火山噴火の歴史
アイスランドの火山の噴火の歴史を見てみましょう。
アイスランドは西暦874年に入植が始まった国です。
記録に残っている火山の噴火の古いものは、1783年に起きたラキ山の大噴火で、アイスランドの人口の約4分の1が死亡したとされています。死者は、おもに火山灰の影響による気候変動、火山性の有毒ガスによる家畜の死亡を原因とする飢餓という、火山噴火の間接的な影響によるといいます。
北半球全体に及ぶ気候変動でヨーロッパ全体が凶作となり、フランス革命の遠因にもなったそうです。
同じ1783年、日本では天明の大飢饉により江戸幕府が倹約令を発布しました。浅間山の噴火による飢饉だと言われていますが、北半球を広く覆ったアイスランドの火山灰の影響もあったのではないかと言われています。
2010年にはエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火して、飛散した大量の火山灰や煙の影響で欧州の航空機の運航は大混乱しました。
2011年にはヴァトナヨークトル氷河の下にあるグリムスヴォトンから、数千トンの火山灰が数日に渡って噴出して、この時もヨーロッパでの航空機の運航は混乱しました。
2014年8月から2015年3月にかけて噴火していたのはホルフロイン火山です。噴煙などの被害は少なく、多くの観光客が溶岩を見に集まりました。
そして2021年3月19日(現地時間)にファグラダルスフィヤル火山が781年ぶりに噴火しました。
日本の火山噴火の歴史
日本の火山の噴火の歴史を見てみましょう。
アイスランドの人口の約4分の1が死亡したとされる、1783年に起きたラキ山の大噴火と同じ年に起きた浅間山の大噴火では、火砕流と土石なだれ、吾妻川と利根川の洪水により1000人以上の死者が出ています。
大きな噴火をピックアップしてみると、
・1783年、浅間山、火砕流と土石なだれ、洪水により1000人以上が死亡。
・1792年、雲仙岳、岩屑なだれにより15,000人が死亡。
・1822年、有珠山、火砕流により103人が死亡。
・1888年、磐梯山、岩屑なだれにより477人が死亡。
・1902年、伊豆鳥島、全島民125人死亡
・1926年、十勝岳、融雪型火山泥流により144人死亡。
・1991年、雲仙岳、火砕流により43人死亡。
・2014年、御嶽山、噴石等により63人死亡。
富士山は、864年に貞観大噴火、1707年に宝永大噴火の記録が残っています。
アイスランドの火山と日本の火山は連動してない?
アイスランドの火山と日本の火山は連動していないでしょうか。
ちょうど今、アイスランドではファグラダルスフィヤル火山が噴火してマグマが流れ出していて、鹿児島県の諏訪之瀬島でも火山が噴火しています。
1783年のラキ山の大噴火の同じ年に浅間山が噴火しています。
2014年8月から2015年3月にかけてホルフロイン火山が噴火していましたが、2014年9月には御岳山が噴火して登山中だった人など63人が亡くなっています。
2010年、2011年のアイスランドの火山の噴火の場合には、日本で火山の噴火はありませんでした。
どちらかで火山の噴火が起こったときに、必ずもう一方でも火山の噴火が起こる、というような関連性はないようですが、ときどき同じタイミングで噴火が起きているのが気になります。
プレートが動くことで地震や火山の噴火が…と考えると、最近の300年や500年の範囲で較べてみてもしかたないような気がしてきますね。
富士山の噴火はない?
たびたび話題に上る富士山の噴火はどうでしょう?
横須賀市、横浜市などでの異臭騒ぎ、忘れた頃にまた起こる異臭騒ぎがあるたびに、地震の前兆ではないか?富士山噴火の前触れでは?と心配する声が上がります。
調布市での大規模な地面の陥没も、地震の前触れかと言われましたが、結局は大深度地下工事で東日本高速道路がトンネル工事をしていた影響だったことがわかりました。
われわれの現段階の技術では、まだ正確な地震の予知はできません。火山の噴火の予知も出来ません。
富士山の噴火も予知できませんから、心配ばかりしていてもしょうがないですが、アイスランドの火山の噴火をそれこそ他山の石として、油断せず、侮らずに大地震や富士山の噴火も頭の隅っこに置いておくことにしましょう。
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