女人禁制の聖火リレー女性も参加に変更の理由は?愛知県半田市「ちんとろ舟」!

女人禁制ちんとろ舟画像 スポーツ
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女人禁制の「ちんとろ舟」を聖火リレーに使うことになっていた愛知県半田市のコースが、女性も参加できるように変更されました。

いったんは「ちんとろ舟」が女人禁制だからと女性の参加を拒否したのに、愛知県半田市の伝統文化がオリンピック憲章の男女平等精神に屈したかたちでの決着になりました。

ちんとろ舟が急遽女性参加を受け入れた理由は何だったのでしょう?

さっそく調べてみましょう。

女人禁制のちんとろ舟とは?

愛知県半田市の聖火リレーコースの一部が「ちんとろ舟」という船によって行われる予定でした。

ちんとろ舟はと、半田市で江戸時代から続く「ちんとろ祭り」で使われる舟のことです。

女人禁制を守ってきた「ちんとろ舟」で聖火をリレーするのは半田運河を通る200mほどです。

聖火リレー当日は、地元の男性30名ほどが舟に乗り込んで「ちんとろ祭」を再現するお囃子で半田市の魅力を発信する予定でした。

ところが直前になって、コース上に女人禁制の区間があることは、オリンピック憲章の精神に反するとして問題視されることになりました。

ちんとろ舟はなぜ女人禁制なの?

ちんとろ舟はなぜ女人禁制なのでしょうか?

半田市のホームページには「半田市指定無形民俗文化財」としてちんとろ祭が紹介されています。

上半田の祭礼は「ちんとろ祭」と呼ばれ、2輌の山車の町内曳きと住吉神社境内の宮池に2隻の「ちんとろ舟」を浮かべ、その舟上で子供三番叟の舞を奉納します。「ちんとろ舟」は津島神社「天王祭」の「まきわら舟」を文化・文政の頃、伝えたといわれています。宵宮には、舟の中心に12ヶ月を表わす12個の提灯とその周りに1年365日を表わす365個の提灯が半球形に飾られます。

引用:半田市ホームページ

江戸時代から続くと言われるちんとろ祭ですが、ちんとろ舟は神様を迎えまつるためのもので、女性を乗せることは禁忌とされてきた歴史があるそうです。

神様を迎えるために女人禁制、と言われても意味が解りませんね。

江戸時代に始まった風習に、現代人が合理的な理由を見つけようとしても無理がありますよね。

それでも伝統を守るために、ちんとろ祭の中で女人禁制を守る分には文句は出ませんでした。

女人禁制に詳しい鈴木正崇・慶応大名誉教授(文化人類学)は「祭りに使う舟は神様を迎え祭るためのもので、女性を乗せることは禁忌とされてきた」として伝統が維持されてきたことを指摘。その上で「そもそも神事舟をなぜ聖火リレーで使うのか疑問。祭りとイベントを分けて考えるべきだ」と、聖火リレーにそぐわないとの考えを示した。

引用:毎日新聞

文化人類学の先生が「そもそも神事舟をなぜ聖火リレーで使うのか疑問。祭りとイベントを分けて考えるべきだ」とおっしゃってますが、その通りだと思います。

聖火リレーのコースにちんとろ舟を使おうとしなければ、別に何の問題もなかったわけです。

女人禁制が問題になるなら、ちんとろ舟を使うのをあきらめてコースを変更する対応だってできたはずです。

ちんとろ舟、女人禁制を取り下げる

女人禁制が問題視されたちんとろ舟は、聖火リレーのコース変更してちんとろ舟をやめるか、ちんとろ舟に女性も乗せるか、の判断を迫られました。

けっきょく、コースの変更はせずちんとろ舟に女性も乗せるという判断がされました。

愛知県で6日に実施される東京五輪聖火リレーのうち、半田市を船で通行する一部コースが「男性限定」となっていることに疑問の声が上がり、同市が女性も参加できるよう方針を転換したことが2日、市への取材で分かった。

引用:KYODO

こうなると今度は、ちんとろ祭の伝統を守ってきた人たちが気の毒に思えてきませんか?

女人禁制の本当の理由は

半田市が女人禁制のちんとろ舟に女性も乗せる判断をしたので、急にちんとろ舟の伝統に同情的になってしまったのですが、女人禁制の本当の理由は何でしょう?

こうした女人禁制の伝統行事は、何かの危険が伴う行事であるから、大切な女性を守るために参加させない、という意味で始まっていることが少なくありません。

多くの場合には、その神様の性別が女性であるから、女性を参加させると嫉妬されるというような言い訳が語られます。神様は嫉妬なんてしないだろうと思いますけどね。

日本中にたくさんある女人禁制の行事は、それは男女差別だからどうしても参加したいと言う女性があらわれない限り、そのまま存続されています。そういう女性があらわれても、そのまま存続されることもあります。

その伝統行事を、責任をもって引継ぎ守ってきた人たちの意思が尊重されるべきなのは当然で、外野が無責任に「女人禁制は男女差別だ」とかの横槍を入れるのは筋が違うでしょう。

そもそも聖火の採火式は女性限定じゃないか、それは差別じゃないのか、という話にもなりますよね。

半田市が女人禁制を取り下げた理由は?

半田市が「女人禁制のちんとろ舟」の女人禁制を取り下げた理由は何でしょう?

聖火リレーが愛知県に入るのは4月5日で、6日にかけて愛知県内を聖火が回る予定になっています。

半田市を通るのは6日の予定ですから、コースの整備もその他の準備もすっかり整っているはずです。

その段階で急に女人禁制が問題視されたわけですから、コースの変更はむつかしいでしょうし、ちんころ舟に乗る予定でお囃子などの準備を進めてきた人たちに「ちんとろ舟」はナシにします、というのも…相談はしたんでしょうね、きっと。

ちんとろ舟の伝統を守ってきた人たちの同意なしに、女人禁制を取り下げることは出来ませんから。

もし、2020年に予定通りに聖火リレーが行われていたら、問題視されるヒマもなかったかもしれないと考えると、なお気の毒に思えてきます。

「今回は祭りとは切り離してイベント行事として女性も参加できるように調整したい」というのが、本当に精いっぱいの判断だったとお察しします。

まだ続く東京五輪のトラブル

大阪府は聖火リレーを丸ごと中止することにするそうです。

聖火ランナーの辞退者は相次いで、話題にも上らなくなりました。

五輪組織委は、自らボツにした開会式案が公開されたことで文春に回収を求める抗議をしました。

どうもうまくいきませんね~。

トラブル続きで、東京五輪が予定通りに開催されるとはとても思えない状況ですが、誰も東京五輪を中止するとは言いだしません。

あまりにも歓迎する人の少ない東京五輪が、丸ごと気の毒に思えてきてしまいます。

遠くない将来「あれが最後のオリンピックだったね」と言われることがあるのかもしれません…

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