IT企業アスタリスク社が開発したセルフレジの特許技術をユニクロがパクったとして争われていましたが、アスタリスク社が勝訴しました。
ユニクロの横暴がひどいと話題になっていますが、どういうことでしょうか?
アスタリスク社が、ユニクロ側からセルフレジ特許の技術料として受け取れる特許使用料はいくらになるでしょうか?
さっそく調べてみましょう。
アスタリスク社がユニクロに勝訴
アスタリスク社が開発したセルフレジの特許をめぐる訴訟で、アスタリスク社が勝訴しました。
ユニクロやGUの店舗に導入されている、商品の入ったカゴを置くとタグ情報が読み取られて、セルフレジで支払いが出来る技術は使ったことがある人も多いと思います。
その無人レジの技術は、IT企業アスタリスクが開発して2019年1月に特許取得したものでした。
買い物かごを置くだけで会計を済ませることができる「セルフレジ」に用いられた技術を巡り、カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(山口市)とIT会社「アスタリスク」(大阪市)が、同社の特許の有効性を争った訴訟の判決が20日、知財高裁であった。森義之裁判長は「容易に開発できない技術だ」と述べ、特許は有効だと判断。一部を無効とした特許庁の審決を取り消し、ユニクロ側の敗訴とした。
この訴訟とは別に、アスタリスク側がユニクロ側の特許権侵害を主張し、国内各地の店舗にある全てのセルフレジの使用差し止めを求める裁判を東京、大阪の両地裁に起こしており、知財高裁の判断が影響を与える可能性がある。
引用:読売新聞
既に特許が取得されていた技術を、ユニクロ側が勝手に導入して特許使用料も支払わなかったというのはどういうことなんでしょう?
ユニクロがやったことは酷い?
ユニクロがやったことは酷いとするツイートを見つけました。
この一件に関して、ユニクロがやったことは本当に酷くって、元々この製品はアスタリスク社がユニクロのセルフレジのコンペに提案した商品で、コンペで不採用としときながらユニクロが勝手にパクった上にそれがバレて抗議されたら「ライセンス料0円で譲れ」と言ってきたというメチャクチャな話だからね https://t.co/3iiQrKaO3I
— ガイチ (@gaitifuji) May 20, 2021
勝手にパクった上にそれがバレて抗議されたら「ライセンス料0円で譲れ」って、そんなこと本当にあるでしょうか?
アスタリスク社はセルフレジ技術の特許を取得
アスタリスク社が、ユニクロが導入しているのと同じセルフレジ技術を発表したのは2017年5月で、ファーストリテイリング のIT事業部の担当者にも説明したということです。
当時から、ファーストリテイリングとアスタリスク社は取引関係があったのです。
この技術についてアスタリスクは17年5月の「Japan IT Week」というイベント前に特許出願し、イベント当日に新型RFIDセルフレジを発表した。当日は試作機の展示とともに、「特許出願中」と書いたチラシを配布した。当時ファーストリテイリング のIT事業部の担当者にも、この技術について説明したという。
その後、コンペを経て2018年11月には「他社製品で決まった」と伝えられて、アスタリスクのセルフレジはUNIQLOに採用されないことになりました。
そして2019年1月にアスタリスクのセルフレジの技術は、特許が登録されました。
鈴木社長は同社製品の納入か、ライセンス契約を提案し続けましたが、ファストリ側には「この特許は金を払うに値しない」と一蹴されたというのです。
交渉中にもユニクロ店舗ではセルフレジが導入され続けました。
そして最後の交渉で鈴木社長は「ゼロ円でライセンス提供してください」と言われました。
「9カ月も話し合ってきて、最後に『ゼロ円でライセンス提供してください』と言われた。それはないだろうと、私の腹は決まりました」
鈴木社長は、2019年9月24日にユニクロのセルフレジに対して特許権侵害行為差止仮処分命令申立を行いました。
ユニクロがアスタリスクに支払うライセンス料は?
アスタリスク社は、UNIQLOのファーストリテイリングとセルフレジの特許をめぐって争い、勝訴しました。
そもそもアスタリスク社が特許を取得したセルフレジの技術をパクっておいて、「ゼロ円でライセンス提供してください」と言い放ったというユニクロ側が、素直にライセンス料を払うでしょうかどうでしょうか。
アスタリスクで同様のセルフレジでライセンス契約した事例では、レジ1台あたりのライセンス料は1日約500円だという。単純計算すると、国内800店舗×2台×365日で、年間約2.9億円となる。ユニクロの店舗規模から考えれば、ディスカウントになると考えられるため、実際の負担はもっと軽くなるだろう。
単純計算で、年間2.9億円、ユニクロの店舗規模から考えて値引きはあるだろうと予想されていますが、果してどうなるでしょう。
ライセンス料がいくらになるのかまだわかりませんが、ユニクロ、GUのファーストリテイリングの企業イメージは悪化しました。
ライセンス料をケチって裁判をして、企業イメージを悪化させるというのは、ファーストリテイリングにとってもメリットはありませんでしたね。
アスタリスク社の鈴木社長の踏ん張りが、今後同様な大企業の横暴の歯止めになるといいですね!
不便になるって言ってる人いるけど何もセルフレジを止める必要はなくて、アスタリスクにユニクロが使用料払えば済む話では?そのための特許でしょ。こんな簡単な開発でって言うのは先に思い付かなかった人の負け惜しみだし、特許が無ければパクったもん勝ちの世の中になってしまう。
— 天音愛架 (@dollysm_) May 21, 2021
セルフレジの使用差し止めは係争中
アスタリスク社は、セルフレジの使用差し止めを求めていて、こちらはまだ係争中とのことです。
アスタリスクはユニクロやGUで導入されているセルフレジの使用差し止めを求めて複数の裁判所に提訴し、係争中。ファーストリテは「主張が認められず、大変残念。判決内容を精査する」とコメントした。
引用:JIJI.COM
ライセンス料を払えばいいのに、なぜそうしないんでしょうねファーストリテイリング。
アスタリスク社側は争うよりも和解を望んでいるのだと見えるんですが、ファーストリテイリングの抵抗は本当にひどいです。
持久戦になると体力のある大企業側がどうしても有利になってしまいますからね。
ファーストリテイリングは、協力関係にあったはずの企業を足蹴にするような組織だと認識されることを何とも思わないんでしょうか。
そんなユニクロやGUで買い物するのはイヤだなぁ、と思います。
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