ブルーライトカット眼鏡には、眼精疲労軽減の効果はなくてむしろ有害かも知れない、と聞いてびっくりした人も多いと思います。
眼にいいはずのブルーライトカット眼鏡の効果と、悪影響の可能性について、本当のところどうなのかまとめてみましょう。
ブルーライトカット眼鏡には効果がない?!
埼玉県の老舗メガネ店「サカタメガネ」代表のよしひこさんの「ブルーライトカットは効果ない」という投稿に、眼にいいと思ってブルーライトカット眼鏡にしてる人は驚きました。
「ブルーライトカットは効果ない」という昨日のツイートがバズりましたが、一部誤解を招く部分もありましたので、メリットデメリットをまとめました。
まぶしさやコントラスト等見え方に関して実際に効果を感じる方はうちのお客様にも多いです。個人差が大きいので、購入時はサンプルを試して下さい。 pic.twitter.com/NuFcTEKV5y— よしひこ@メガネ屋4代目 (@sakata_yoshi) April 14, 2021
ブルーライトカット眼鏡の効果を感じて使っている人にすれば「信じられない!」ですよね!
日本眼科医会は正式にブルーライトカット眼鏡に対する慎重意見を公表しています。
(参考)
日本眼科医会https://t.co/JtK1ajse8Z
小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見https://t.co/cmY9WGNmsO— よしひこ@メガネ屋4代目 (@sakata_yoshi) April 14, 2021
日本眼科医会による小児のブルーライトカット眼鏡慎重論
上のツイートにある、日本眼科医会による慎重意見を見てみましょう。
日本眼科学会、日本眼科医会、日本近視学会、日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本視能訓練士協会の連名で令和3年4月14日にリリースされた文書は「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」というタイトルです。
子どもがブルーライトカット眼鏡をすることに、慎重意見なんですね。
小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるものです。なかでも十分な太陽光
を浴びない場合、小児の近視進行のリスクが高まります。ブルーライトカット眼鏡の装
用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できません。
なるほど、太陽光を十分に浴びないと小児の近視進行のリスクが高まる、と。
(以下抜粋
①液晶のブルーライトは、曇天や窓越しの自然光よりも少ない
②小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるもの
③最新の試験で、ブルーライトカットには眼精疲労を軽減する効果が全くない
④就寝前ならともかく、日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用する有用性は根拠に欠ける— よしひこ@メガネ屋4代目 (@sakata_yoshi) April 14, 2021
ん?大人のブルーライトカット眼鏡のことは言ってませんね?
ブルーライトカット眼鏡がよくないのは子どもだけ?
ということは、ブルーライトカット眼鏡は効果がない、むしろ悪影響というのは子どもに限っての話だったんでしょうか?
おとなのブルーライトカット眼鏡は有効?
そもそも、なんで急にブルーライトカット眼鏡の話になったんでしたっけ?
一連のブルーライト騒動の発端は、小中学校に1人1台タブレットを配布するGIGAスクール構想から。そんな中「ブルーライトカットメガネ」をかけさせれば”安心”なんて宣伝する企業が出ている現状に釘を刺した。
ブルーライトはメガネ作りにおいてオマケ中のオマケ。まずは”目的距離”別の正確な測定が前提. https://t.co/hsqoGEZsv1— よしひこ@メガネ屋4代目 (@sakata_yoshi) April 20, 2021
なるほど。ここでもまたGIGAスクール構想が出てくるんですね。
よしひこさんとしては、「ブルーライトカットメガネ」をかけさせれば”安心”なんて宣伝する企業が出ている現状に釘を刺したかった、というわけですね。
おとなのブルーライトカット眼鏡の効果は?
おとなのブルーライトカット眼鏡、効果はあるんでしょうか?
よしひこさんによるとブルーライトカットには「まぶしさ、ちらつきを抑える」「目が光に弱い方は楽に感じる」「見え方のコントラストが上がる」「ピントがシャープに合うようになる」「夕方以降使うことで体内時計を整える」というメリットがあるそうです。
逆に、ブルーライトカットのデメリットとしては「子供は近視進行のリスクが高まる」「多くの場合、レンズに色がつく」「レンズを通して黄色っぽく見える」「眼精疲労への効果はひとそれぞれ(米国の研究では効果がないという報告も)「カット率の定義が曖昧で、単純比較できない」。
ブルーライトカット眼鏡の効果を感じるかどうかは人それぞれで、効果がないという説もあることを知ったうえで、試してみてからブルーライトカットにするかどうか考えるのがよさそうです。
眼科医の意見は?
そして眼科医の先生がよしひこさんのツイートにコメントを寄せました。
よしひこ様のブルーライトカット眼鏡の事で論争が起こり色々な方にこの問題を知っていただけたのは眼科医としても良いことだと思っております。提示されたメリットに関して(体内時計やコントラストの件)はまだエビデンスが出てきていないのでそうとは言い切れないかなと思います→
— Ryuya Hashimoto👀MD, PhD (@RyuyaHashimoto) April 14, 2021
眼科医の先生からは、「提示されたメリットに関して(体内時計やコントラストの件)はまだエビデンスが出てきていないのでそうとは言い切れないかなと思います」と待ったがかかりました。
ということは、コントラストが上がる、ピントがシャープに合う、体内時計を整える、というのは「気のせい」である可能性もあるということですね。
やはり影響力がある方が意見を出される時はソースとなる参考文献を一緒に添付してもらえると皆さん安心して読めると思います。ブルーライトに関する最近の研究では下記の研究が一番信頼性が高いです。これからも活動を陰ながら応援しております😊https://t.co/weqs3IEdxQ
— Ryuya Hashimoto👀MD, PhD (@RyuyaHashimoto) April 14, 2021
せっかくなので、ご紹介の研究を見に行ってみましたが英語でした。
機械翻訳してみると、二重盲検法によるブルーブロッキングレンズ(ブルーライトカット)眼鏡がコンピュータ使用に関連する眼精疲労の軽減するのに効果的かどうかについての研究でした。
結論は、「ブルーブロッキングレンズは、標準のクリアレンズと比較して、コンピューターの使用による眼精疲労の兆候や症状を変化させませんでした。臨床医のアドボカシータイプ(注:権利擁護)は、臨床転帰とは関係がありませんでした。」というものです。
結局、ブルーライトカット眼鏡に効果はないのか?
結局のところ、ブルーライトカット眼鏡に効果はないのでしょうか?
ブルーライトカット眼鏡をかけたときに、コントラストが上がったように感じるかどうかは個人差があるそうです。
眼鏡をかける人が、コントラストが上がったように感じるなら、それを否定する材料はなさそうですが、誰にとっても必ずコントラストが上がる、というものでもないそうです。
専門家である眼科医が信頼できると推薦してくれた研究では、ブルーライトカット眼鏡は「眼精疲労の兆候や症状を変化させませんでした」という結論でした。
ブルーライトカット眼鏡を使っている身としては、がっかりする結論でしたが、ブルーライトカット眼鏡をしているから、何時間モニターを見つめていても疲れない、という魔法の眼鏡ではないことがわかってよかったです。
考えてみると、ブルーライトカット眼鏡と、そうではない眼鏡を持っているわけではないので、比較したことがありませんでした!
パソコン作業は休憩を入れながらほどほどにしようと思います!
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