元ヤクルト球団の泉正義氏が、17年前に「スカウトに金銭を要求された」ことをTwitterで告発しました。
泉正義氏は素行不良の噂が多い選手でしたが、未だにデマによる中傷に悩まされているとのことです。
2004年頃のヤクルト球団には契約金のキックバックによる「裏金事件」があったことがわかっているので、泉正義氏の主張とも符合します。
事実であれば大問題です。詳しく調べてみましょう。
泉正義氏の告発ツイート
ことの発端は泉正義氏本人による告発のツイートです。
17年我慢した真実をお話しします。
私は担当スカウトに契約した次の日に数百万円貸してくれと言われ
プロの世界はそうしなきゃならないのかな?と親とも話しすぐに貸しました。それから契約金、給料はとある会社の社長に任せるからと言われ従いました。月10万振り込むからと給料を。— 泉正義 (@PuW4z) May 6, 2021
年俸が600万あったので給料が足りないと電話をしてお願いしたりしていました。が今日は忙しいからと言われたり全く自分だけわからない状況でした。契約金でお世話になった人にお礼したからいくら渡したからと18歳の自分に言われても理解不能でした。
— 泉正義 (@PuW4z) May 6, 2021
3年間誰にも言わず最後のオフに
もう嫌になり顔も見たくもなく
金金金の話ばかりで、グラウンドに行かなくなりました。部屋にも来ましたスカウトは。遊びほうけてスカウトが泉にはプロの心得を伝えたが響かなかったと素行不良だったと。— 泉正義 (@PuW4z) May 6, 2021
スカウトには獲得してもらった感謝がありますのでどうしたいとかは一切ありません。
また退団後球団から全額返済もされました。
ですから泉の素行不良で担当スカウトがクビになったのではなく
その金の事が球団にバレたからクビなったと他のスカウトから退団後聞かされました— 泉正義 (@PuW4z) May 6, 2021
泉正義氏は、栃木県の宇都宮学園高校在学中にドラフト会議にかかりました。
担当のスカウト、つまり矢野和哉氏から「数百万円貸してくれ」と言われて貸したとツイートしています。
高校生だった泉正義氏は「プロの世界はそうしなきゃならないのかな?」と考えて、親御さんと相談の上で貸すことにした。
相談された親御さんにしても、プロ野球の世界のことなど知らないし相談できる適切な相手もいない状況だったのかもしれません。
宇都宮学園高校の野球部監督や関係者も、泉正義選手から相談されていないとは思えませんが、親御さんと同じく、プロ野球の世界のことはわからないから、そうするのがあたりまえと考えたのでしょうか。
まさか野球部の監督らがスカウトの矢野和哉氏とグルになって泉正義選手を陥れたということは、さすがにないだろうと思いますが…
2004年頃にヤクルト球団では契約金をめぐる裏金事件が起きていますが、泉正義選手の契約金もヤクルト球団の裏金事件の一部だったのでしょうか?
ヤクルト裏金事件とは?
2004年頃のヤクルト球団では、契約金をめぐる裏金事件が起きています。
同じ頃、ヤクルトだけではなくジャイアンツでも「入団を条件とした金品授与の禁止」規定がある学生野球憲章に違反したことが発覚して、渡邉恒雄オーナーをはじめとするジャイアンツの球団幹部が辞任、続いて阪神球団、横浜球団でもオーナーが辞任する事件が起きています。
球界関係者やスポーツ記者の間では、「誰もが知ってる、誰もがやっていることなのに、なぜオーナーまで辞任?」と反応してしまうほど黙認され続けてきたのが「入団を条件とした金品授与の禁止」だったということです。
ヤクルトの場合は、ジャイアンツなどとは違って、下位指名で獲得した新人選手の契約金の一部を「いろいろ手を回してやったんだから」と、スカウトが謝礼金として受け取ったという事件でした。
つまり、契約金のキックバック事件です。
疑惑のスカウトは、島原公二スカウトとされてきましたが、泉正義氏の告発によって矢野和哉元スカウトも疑惑のスカウトに名を連ねることになりました。
泉正義氏はなぜ17年も経ってから告発したのか?
不思議なのは、なぜ泉正義氏が17年も経った今ごろになって唐突に矢野和哉氏を告発するに至ったかです。
泉正義氏は告発の連続ツイートの中で、
私は未だ誹謗中傷にあっています ガキの頃迷惑かけた皆々様には本当に申し訳ないと思っています。 ただ球団を素行不良でクビになったのだけは許せなくて17年我慢して来ましたが最近誹謗中傷がまたひどく精神的ダメージもあり 体調も崩しました。
と訴えています。
泉正義氏は2002年にヤクルト球団に入団したものの、ついに活躍することなく、実績を残せないまま3年で退団しています。
退団後の泉氏は配管工として働き、横浜でジュニアの野球指導者として活動しました。
今は栃木県で「日光ヤングスワローズ」というジュニアのチームを作って指導者として活動を続けています。
2004年ごろ、ヤクルト球団では前述の裏金事件が明らかになりましたが、当時は泉正義選手の契約金がスカウトの矢野和哉氏にキックバックされたことは表沙汰にされなかったようです。
それで、泉正義氏は17年間も黙って誹謗中傷に耐えてきたと主張しているんですね。
なぜ泉正義選手の契約金がキックバックされた件が表沙汰にされなかったのかはわかりません。
何か大人の事情が働いたのでしょうか。
泉正義氏が当時は訴え出なかった可能性もあります。
今でも謂われない誹謗中傷を受けているという泉正義氏、何がきっかけとなって17年越しの告発を行うにいたったかはまだ説明されていません。
「ただ球団を素行不良でクビになったのだけは許せなくて17年我慢して来ましたが最近誹謗中傷がまたひどく精神的ダメージもあり 体調も崩しました」とツイートしていますから、体調を崩したことがきっかけになっての告発だったのかもしれません。
矢野和哉氏は今何をしているのか
矢野和哉氏は今なにをしているのでしょうか。
wikiには、
1994年から2004年までヤクルトのスカウトとして、主に四国・関東を担当。岩村明憲や宮出隆自など、後に打線の中核を担う選手を担当。自身は投手でありながら、野手の発掘に実績があった。
2005年から球団販売促進部に異動、4年間務める。
とだけ書かれていて、ヤクルト裏金事件との関わりは書かれていません。
スカウトとしては2004年までですが、なぜスカウトを辞めることになったかは説明されていません。
今は東洋大学附属牛久高等学校の硬式野球部監督を務めているという矢野和哉氏、もしも泉正義氏の告発が虚偽であったなら名誉棄損で訴えることも出来るでしょうが、どうするでしょうか。
矢野和哉氏が反論しないのであれば、泉正義氏の言い分を認めたことになるでしょう。
注目していきます。
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